2019年12月16日
12月12日、与党は‘20年度税制改正大綱を決定されました。
建設関連では、工事請負契約書と不動産譲渡契約書の印紙税に対する特例措置の延長が認められ、22年3月末まで現行の軽減措置を継続することが決まりました。老朽化したマンションの再生を促進する法人税などの特例措置の拡充・創設も認められました。
【経過】
工事請負契約書や不動産譲渡契約書の印紙税は、重層下請け構造の中で多段階で課税され、最終的にはエンドユーザーに転嫁される。建設工事や不動産流通のコストを抑制するため、税負担を軽減する特例措置が講じられている。特例措置の期限が20年3月末で切れるため、その後の延長が検討されていました。
【特例措置】
現行の特例措置の軽減率の変更はなく契約額に応じ、本則で規定する印紙税を20~50%減額。例えば、請負金額5000万円超・1億円以下の契約であれば、本則で6万円の税額を50%減額し、3万円となります。
〇軽減後の税率
軽減措置の対象となる契約書に係る印紙税の税率は、課税物件表の規定にかかわらず、次表のとおりとなります。
契約金額 | 本則税率 | 軽減税率 |
100万円を超え 200万円以下のもの | 400円 | 200円 |
200万円を超え 300万円以下のもの | 1千円 | 500円 |
300万円を超え 500万円以下のもの | 2千円 | 1千円 |
500万円を超え1千万円以下のもの | 1万円 | 5千円 |
1千万円を超え 5千万円以下のもの | 2万円 | 1万円 |
5千万円を超え 1億円以下のもの | 6万円 | 3万円 |
1億円を超え 5億円以下のもの | 10万円 | 6万円 |
5億円を超え 10億円以下のもの | 20万円 | 16万円 |
10億円を超え 50億円以下のもの | 40万円 | 32万円 |
50億円を超えるもの | 60万円 | 48万円 |
(注) 建設工事の請負に伴って作成される請負契約書のうち、その契約書に記載された契約金額が100万円以下のものは、軽減措置の対象となりません(税率200円)。また、契約書に記載された契約金額が1万円未満のものは非課税となります。
〇契約書の範囲
軽減措置の対象となる「請負に関する契約書」とは、課税物件表第2号文書に掲げる「請負に関する契約書」のうち、建設業法第2条第1項に規定する建設工事の請負に係る契約に基づき作成されるものをいいます。
この場合において建設工事とは、土木建築に関する工事の全般をいいますが、建物の設計、建設機械等の保守、船舶の建造又は機械等の制作若しくは修理等については、建設業法第2条第1項に規定する建設工事には該当しません。
なお、建設工事の請負に係る契約に基づき作成される契約書であれば、その契約書に建設工事以外の請負に係る事項が併記されていても、軽減措置の対象になります。
(例)建物建設工事及び設計請負契約書
契約金額5,300万円(内訳:工事代金5,000万円、設計代金300万円)
この契約書に記載された契約金額は55,000,000円(建物建設工事代金50,000,000円+設計請負代金5,000,000円)ですから、印紙税額は30,000円になります。
(出典:国税庁HP、建通新聞社)